日本の肥料業界の事情は・・・・・・・・
以前に、このブログで何度かご紹介しておりますが、大きく世界の情勢を見てみますと、
昨年の中国の水害とイナゴによる農作物の不作、米国の干ばつなどによる農作物の
不作、ヨーロッパの水害による不作は、中国、米国のリン鉱石の輸出制限と値上げ
に結びついていまして、この2か国で世界の約70%以上のリン鉱石の輸出シェアを持っ
ており、残るリン鉱石の産出国はモロッコくらいしか有りません。 しかも2年半近く続
くコロナの世界的な感染増加で荷役労働力が不足しています。 原油は脱炭素社会を
目指すことが国際的な協定となり、原油の新たな掘削を米国も中近東も止めました。
これは新たに掘削を再開したとしても8~10年は掘り当てるまでに時間がかかる
そうです。 脱炭素で石炭の採掘も、これを利用する発電なども中国は止めています。
原子力発電も新たに始めるにはかなりの時間がかかります。 ということで
世界的に電力不足、ガス、アンモニア不足などが起こっています。
なにが言いたいかというと、あらゆる石油製品、肥料、電力を必要とする工場の
稼働に以前よりもお金がかかるということです。 このため、今後は(既に始まっていま
すが、)インフレが世界的に進むということです。 コロナで世界的に労働力も不足して
います。 ということで、肥料業界だけでなく、農薬業界もこのインフレの波に
飲み込まれていく可能性が高いです。 一番可能性が高いのは非選択性の除草剤です。
その成分に有機リンを含む除草剤はラウンドアップだけではありません。
今年の期中にも再度値上がりする可能性があると思います。
肥料も6月からの価格改定時期にまた上がるし、数量も不足し続ける可能性が有ります。
原油も値上がりし続けると運賃やあらゆる生活物質が値上がりする可能性が高いです。
既に材木、鉄、銅、アルミなども値上がりしております。
太陽光発電、風力・波力発電、地熱発電などは電気の蓄電ができないので頼りにはなら
ないようです。
このインフレがいつまで続くか分かりませんが、先行き心配ですね。
農薬通販JP 鳥羽 和興